インプラントは、快適なかみ合わせを実現するための一手段として、きわめて有効です。顎関節症や、顎関節症にともなう全身症状に苦しまれていた患者さんに、快適なかみ合わせを取り戻す手段としてインプラント治療を用いた症例をご紹介します。


初診時の主訴は、「かみ合わせが悪い」「口を大きく開けられない」「左の顎が痛い」というものでした。
顎関節症の治療が必要でしたが、歯が何本か欠損していたため、快適なかみ合わせをつくるためにはインプラント治療をおこなう必要があると判断しました。


右上3本、左下2本、右下2本インプラントを埋入し、F.G.G.(遊離歯肉移植)をおこないました。
遊離歯肉移植は、インプラントの周囲に固い歯肉を移植する技術で、これをおこなうことにより、インプラントを快適に長く維持することができます。



インプラントが入った状態で、データに基づき、快適なかみ合わせをつくっていきます。


上下の歯が正しい点で接触し、前の歯がかんでいるときは、それ以外の歯は休む相互保護咬合になっています。
インプラントを利用して、顎関節症が完治し、快適にかめる咬合ができました。


顎関節症(開口障害、左側顎関節雑音、両側顎関節痛)が原因で、左目の痛み、右聴覚異常、左膝部の関節炎といった全身的不調和がみられ、歩行が困難な状態でした。
初診時、かみ合わせを調整し、かみ合わせたときに歯の高さが足りないところにレジン(プラスチック)を盛って、とりあえずのかみ合わせをつくったところ、すぐに全身症状の改善が見られ、帰りには無理なく歩くことができるようになりました。
右下奥の3本、左下奥の1本が欠損しており、下の前歯がデコボコに生えていました(叢生)。快適なかみ合わせをつくるには、咬合治療のほかにインプラント治療や矯正治療が必要と判断。また、歯周炎、歯根膜炎がみられました。


スプリント療法、咬合調整などにより顎の位置を安定させてから、下の前歯の矯正治療と並行して、右下3本のインプラント治療をおこいました。また、段階をふんで、後日、左下奥のインプラント治療もおこないました。



インプラントを埋入してから3ヵ月間は治癒期間としています。その間に仮歯をはめ、顎関節規格撮影、咬合診断の結果得られたデータで顎関節の位置を決定。その後、最終的な咬合調整となりました。


下の欠損歯すべてにインプラント治療をおこない、矯正治療、咬合治療とあわせて、患者さんが快適にかめるかみ合わせをつくりました。顎関節症による全身症状にも、劇的な改善がみられました。